■古事記の「国生み」で一番最初に生まれてきたのはヒルコ(出来損ないで骨が無い姿だったので葦舟に乗せられて海に流されてしまった)、次が淡島(泡のように頼りないので島の数に入れられず)、その次、実質の第一番目がアハヂノホノサハケ(淡路島)だった。
■「何で一番最初が淡路島なの?(少なくとも天孫降臨の九州の方が重要なのに)」という事が急に気になったので調べてみた。
■「これについては、淡路島周辺の海人たちの創世神話が、朝廷に取り入れられたためと言われる。イザナギとイザナミは、もとは彼らの信奉する神だったという。(図説・地図とあらすじで読む古事記と日本書紀 青春出版社p10)」と書いてあるが、肝心の「もとは~神だったという」の根拠が書いてない……。
■朝廷と淡路島が何か関係あるのだろうか? というわけで調べてみたら、安寧天皇(欠史八代の第三代目天皇)の第三皇子シキツヒコノミコトが2柱の子を成し、そのうちの1柱がワチツミノミコト(和知都美命)と言って淡路島の御井宮(ミイノミヤ)に住み、2柱の娘を成す。2柱のヒメミコの名はハエイロネ(蠅伊呂泥)、ハエイロド(蠅伊呂杼)といい第七代孝霊天皇の妃となった。
■というわけで欠史八代の三代目の皇子が淡路島に住んでいた、という事は分かった。
■そしてワチツミノミコト(和知都美命)の娘が孝霊天皇との組み合わせで産んだ娘がヤマトトモモソビメ(夜麻登登母母曽毘売)といい、のちにオオモノヌシ(大物主神)の妻になった。つまりこの2柱の神の間に成した神は淡路島が故郷と言ってもおかしくない。
■このモモソビメは(長いので割愛するがとあることがあって)びっくりして箸の上に尻もちをついてしまい、女陰(ホト)を刺して死んでしまう。箸墓古墳はモモソビメと言われている。
■ここまでは「海人たちの創世神話」以外は古事記や日本書紀に書いてあり、宮内庁が認定している事です。
■ここから先が仮説など。
■決死八代の神話はつじつま合わせのために作られたものであると良く言われていて、ひょっとしたら淡路島に住んでいたワチツミノミコト(和知都美命)は別の種族だったのかも。論拠は、淡路島には古墳を作った形跡が無い=実は古墳を作る文化の貴族(王族?)以外の貴族が住んでいた可能性がある、つまりまったく別の信仰を持つコミュニティ。
■「国生み」の記載で矛をグルグル回す=鳴門の渦潮ではなかろうかと。鳴門の渦潮を毎日見ていた古代人が作り上げたのが、「神が矛で海をかきまぜた」という神話なのかな~。
■別の王族=邪馬台国という説もあるようです。モモソビメ=卑弥呼ではないかということです。ほお~。
http://www.sankei.com/west/news/170420/wst1704200004-n1.html