時折このブログに「文楽・歌舞伎」で検索してたどり着く方がいるのですが、是非読んでいただきたい本がありますのでご紹介いたします。
江戸幻想批判-「江戸の性愛」礼賛論を撃つ小谷野敦著の99頁~、「歌舞伎批評は可能か?」です。
是非読んで下さい。私は目からウロコでした。もちろん全部面白いので最初から読み進めてそこまでたどり着くのがベストですが、面倒な人はとにかく99頁からを読んで下さい。
実はわたし、以前から、文楽等の話の運びなどにもやもやした気持ちを持っておりました。でもこの章を読んでそれが氷解しました。
文楽・歌舞伎で検索してたどり着いた皆さんは、どのくらい観賞経験がおありでしょう? 私はさほどではありませんが、それでも、子供が殺されてバラバラにされて手足を舞台に放り投げるシーンで観客が忍び笑い(笑いなんですよ! 予定調和のカッコワライなんです)したり、話を面白くするためとしか思えないような無駄で自分勝手な死に方があったり、そういう部分に大いなる疑問を抱いておりました。「なんでそういう話が残ってきたの?」というような疑問もこの章を読むことで解決しました。シロウトの私が言うのもなんですが、大変優れた論考だと思います。
ただ、この論考は世間に受け入れられないかもしれませんが……。非常に真摯で、かつ優れていることに間違いはありません。
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