先月末、自分にとってものすごい大きな訃報が入ってきていた。
最初電話があったときは「え?」と思って頭の中で繋がらなかった。何度聞いてもピンと来なかった。ツシマさんには悪いけれど、その時はからかわれているとしか思えなかった。
ところが最近になって、社葬への参加が決定してから、だんだんと社長が亡くなったことが実感されてきた。
それと同時に、激しく落ち込まざるを得なくなった。
失ってから、社長が自分にとってどんなに大きな存在であったかを知った……と思う。
一アルバイトの分際で会社の忘年会に誘ってもらった時、あれは確か数年前だった。ひょっとしたらあの時社長は余命宣告を受けていたのかもしれない。
でもあの時私の酒癖は悪かった。酔いがさめて恥ずかしくなって、「もうあまり慣れ慣れしくしない方がいいかも」とこちらから疎遠になってしまった。
それ以後も一回会ったが、やはり私は酒癖が悪かった。また恥ずかしくてさらに疎遠になった。
どうして連絡しなかったんだろう。どうしてハガキの一つも出さなかったのだろう。
社葬が近づくにつれ、動揺が激しくなる。
PR