昨日の続き。
昨日は出かける直前まで大雨が降っていた。
そのせいで、昨日の劇場内は大島やおしゃれな紬が多かったのじゃないかと思う。
国立劇場だと、本来なら訪問着や付け下げじゃないのかなあたぶん。
意外だったのは雨コート・道行率が低かったことで、私以外は1人しか居なかった。
なんでだろうと思って表に出てわかった。
優雅な方々は電話一本で旦那をエントランスに呼びつけてるので道行きが要らないのだ。
すごくすてきな淡い色合いの大島の奥様二人(推定年齢60代)の会話。
電話で旦那を呼び出したあとエントランスで待っている感じだった。
「ご主人、どちらにいらっしゃるの? お近く?」
「ええ。終わる頃合を見計らって近くまで来てもらって、今は皇居の周りを
ぐるぐるまわって時間潰してるところだからすぐ来るわよ」
あーあその手があったかと思ってみていたら、旦那登場。
ベンツとか外車かなと思ったらさにあらず、トヨタのやや高級車(ややってところがミソ)だった。
初めて国立劇場に行ったとき見た光景。
すごく豪華な訪問着(ずっしり重そうな正絹に手描き友禅)+豪華袋帯をお召しの奥様が、幕間にたった一人でロビーの腰掛けに座り黙々と稲荷寿司を食べていた。「寿司と私」の世界が出来ていた。
その様子が淋しげで鬼気迫っていて切羽詰った感じがして、今でも忘れられない。
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