【自分用メモ】とても分かりやすかったので一部抜粋抜き書き。
すぐわかる日本の呪術の歴史
この本分かりやすいしカラフルで絵が多いし(私にはこれが大事です!)
年表も付いてておススメです~。
◆原始的な呪術の系譜
日本の呪術の流れを見ると、アミニズムに立つ呪術の時代から、陰陽五行説の呪術の時代を経て、近代科学のもとで呪術が非合理とされた時代に至る流れがある。この中の陰陽五行説は、日本ではさまざまな宗教と結びついて、政治に大きな影響を与えてきた。
旧石器時代の日本でも、呪的行為がなされたと思われる。そして、縄文時代の遺跡からは、明らかに呪術に用いたと見られる土偶などの多様な遺物が出土する。
それらは、自然の精霊を祀ったものであると考えられている。そして、縄文的な自然崇拝は、大和朝廷のもとで神道の原形へと発展していく。
それは、首長霊信仰と呼ぶべき、集団の指導者の祖先を神として祀り、その神が自然の精霊にあれこれ働きかけをすると考えるものである。これによって、太陽神であり、皇室の祖先神である天照大神がつくられた。
武光誠 (「すぐわかる日本の呪術の歴史」東京美術 p6~8)
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修験道の祖・役行者
一方、仏教界も山林を修行にふさわしい地としてとらえる傾向があった。世俗の欲を離れるには、人里離れた山奥のような場所が必要だったためである。日本の仏教界が硬直し、世俗の権力との関係が深くなるにつれ、山林に隠れる僧は増えていった。
各地の霊山で行者と仏教者は修行を通じて近づき、平安時代半ば過ぎに、伝統的な呪術、密教呪術、道教の呪術の要素を併せ持つ修験道という新しい宗教を育んでいく。」そして彼らが理想的人物として崇拝した役行者は、のちに修験道の開祖に祭り上げられることになる。(同書p47)
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「鬼道(きどう)の女王卑弥呼」
邪馬台国のについての唯一の史料「魏志」倭人伝によれば、卑弥呼は「鬼道」を営み人々を惑わしたという。「鬼道」とは中国の習慣には、なじまない宗教や呪術を意味する。すなわち、卑弥呼は日本ならではの呪術を用いる呪術師あるいは巫女であった。(同書p30)