【両部神道】について
・両部とは、日本の神々が密教によって解釈され、再編成された神道
・両部とは、密教の本尊仏である大日如来の二つの働きの相、胎蔵界大日如来(天照大神)・金剛界大日如来(豊受大神)としている。
・本地垂迹説とは、仏や菩薩が人々を救済するために神の姿になって現れるという説。(神仏集合)
・こうした神を権現という。権は臨時の、仮のという意味。仮の姿で現れる=権現
・両部は空海によって創唱されたと言われているが平安朝時代から密教系の僧によって教説が整えられ、成立したのは鎌倉時代と言われている
・空海は密教の修業場として高野山に金剛峰寺を開いた。高野山には古くから祀られている丹生明神(丹生都比売)があった。これが両部神道の元となる。
・丹生とは水銀と硫黄の化合した鉱物
(ここまでの出典は「武蔵国と氷川神社」西角井正文)
【鍛冶と鍛冶神について】
・農村地帯でも鍛冶を祀る人がいた。というのは農村地帯こそ鋤鍬の手入れが必要
・村の鍛冶屋は大概村の端に位置していた(火を使うので)
・「鍛冶屋と粉屋の隣は空き家」という冗談が伝承で残っているらしい。
・かつての村の鍛冶屋は「屋号」に残っている(フィールドワークにて屋号確認)
・鍛冶屋を辞めるにあたって神社から自宅内に金山神を移動する人などの存在アリ
(この出典は「郷土史研究会」会報等)
【丹生について】
・丹生は古代中国でも古代日本でもとても重要な鉱物で用途はたくさんあった。
(出典:小論文「日本水銀鉱床の史的考察」矢嶋澄策
・丹生採掘と土蜘蛛との関係
・中央構造線上に水銀鉱脈がある(と言われている)
(出典:歴史好きな人ブログが孫引きしていてネタ元は分からない)
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という基礎知識を踏まえて先日の郷土史研究会での雑談を思い出してみる
「両部鳥居ってのは鍛冶神と関係あるんじゃないかと思ってるんだよね」
「でもこの神社は違う神様ですけど」
「うん、祭神を途中で変えられてしまう事あるからねえ」
「何で両部と鍛冶が関係あると思ったんですか?」
「いや、なんとなくだよ。この辺にも鍛冶屋が点在していたようだし。まあ、気になったらできるだけ例会(研究発表会)に出て下さい」
全然「なんとなく」じゃなかった。やっとわかった。
※空海は山師(鉱山を見つける人)とも言われていたらしい。
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