ユーチューブでメラニア・トランプ(3人目の奥さん)の物まねを見ていて思ったんです。
アンチ・トランプの人がキャンペーンをやればやるほど逆効果だよなあ……って。
メラニア夫人の事、大統領夫人にふさわしくない、という事でいつまでもあか抜けない東欧訛りとか、ヌード写真の過去とか、教養無いのかなという感じのする部分を強調するような物まねとか、これっていくら教養あふれるスノッブな人たちが「差別良くない」と言っても自分たちがたった今してるよね、嘲笑ってるよねっていう……。
彼女の人格に全然関係ない「eye shadow lizard(アイシャドウしたトカゲ)」なんてTV番組で呼んでるんだもん。女性蔑視もいいとこですよね……。
いくつかのインタビュー記事を見てみたんですが、彼女はもともと地味で家庭的な人間で、モデル時代にはパーティーに出ない事で有名だったんだそうです。「お金がもったいないから」と表に出ず、家にいて服を作ったりするかなり風変わりなスーパーモデルだったとか。
「私の夢は夫の情熱を認めて受け止めて、夫の夢を実現させる補佐をすることで、夫婦とはそういうものだと思っていますし私はそのように考える自分を誇らしく思っています」だそうです。ひょっとして大統領選に出る事になったのもメラニアの精神的な補佐があったのかもしれないですね。彼女はキャンペーンが始まるまではなるべく家にいて夫が帰ってくるのを迎えていたとか。そういう考え方は女性の権利運動している人たちにはめちゃ嫌われるんですよね。そういう考え方の女は女の敵だと言われてしまう。キャリアウーマン至上主義っていうのかしら……。だから大統領夫人にふさわしくないという論調が繰り返されるのでしょうね。
大統領夫人にふさわしくないと思う自分たちのナチュラルな蔑視をまず改めてから「差別良くない」と言わないとね。夫を立てたいという女はファーストレディーになるべきではないんでしょうか。それともヌードになったからダメなんでしょうかね? いつまでもあか抜けないのが知性を感じさせなくてダメなの? 移民で頭悪いのは表に出てくんなってか? 大統領にふさわしい立ち居振る舞いが出来ない奴は大統領選に出てくんなって? 何でなの? いやもうお前らの言ってることとやってることがかい離しすぎな綺麗ごとは俺ら庶民は飽き飽きですわっていう……。そういえばシン・ゴジラで石原さとみの役どころが大統領候補として疑問だという事を先日書きましたが、これと同じことです。現実のアメリカは、(彼らスノッブな人たちから見て)ふさわしくない人間を徹底的に辱めて叩き落そうとするんです。だからこそ白人でない人たちは余計に言葉遣いや振る舞いに神経をすり減らすわけで……だからあんな雑な言葉遣いのカラードの大統領有力候補なんてありえないです。トランプでさえ結構丁寧な言葉遣いですし。
話を戻しますが、アメリカの庶民はそういう蔑視に辟易しているんじゃないですかね。社会の上層部でうまく泳ぎ渡って甘い汁を吸ってるエリートたちの鼻持ちならない建前に反吐が出そうなんです。むしろトランプみたいに、実はエリートなのに「女は金で転ぶ」「プッシーわしづかみ」と言ってのける方がいいんです。「ムスリムは排斥だ!」と言いながら溺愛する娘一家がイスラム教徒に改宗しても容認しちゃう、そういう人の方がいいんです。「イスラム教は素晴らしい」と言いながら一族郎党全員がクリスチャンなスノッブ白人なんてくそくらえと思ってる人が多分少なくないんだと思います。
トランプの支持者は見えにくいという新聞記事を前に読んだことがあります。表向きは「トランプなんて支持しない」といいながら、こっそりとトランプに投票している人がいるんだそうです。トランプを毛嫌いする人はみな「トランプ支持は馬鹿ばかり」「トランプ支持はブルーカラー」「あの女房は単なるトロフィー」「ヌードで男に媚びた」「教養無いよね」「どうせ頭からっぽでしょ」って態度で示しているその口で、「あらゆる差別は撤廃すべき」「ウーマンライツ」なんだもんね。
「障碍者差別すんな!」と言いながら頭脳の障碍者(物覚えが悪いとか要領が悪いとかすぐ忘れるとか)を差別する欺瞞社会は日本でも同じですね。きれいごとを言う人は、差別との闘いは自分との闘いだというのが分かってないんだと思います。自分こそが意見を異にする他人を徹底的に排除しようとしている差別者であることが分かってないのだと。それか、社会と闘えばいいと思ってるのかもしれない。
とはいえヒラリーが勝つんだろうけど……。
でもトランプは、彼の事業の本格的スタートは、ニューヨークの一等地に低所得者向けに作った安価で良質な住宅の販売なんです。(90年代に出た自伝によるとです)それまでアメリカでは低所得者向けに良質の住宅を提供してこなかったんだそうです。無駄だからでしょうかね。それに憤慨して作ったというわけで、「自分の商いの原点はこの住宅販売の成功なのだ」と自伝内で述懐していました。
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