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ルメートル×藤田宜永対談

行きました。勉強になりました。彼の小説を読んで私が受け取ったメッセージと彼自身が言う事にどれだけずれがあるのか確かめに行ってきました。結果はまあまあ良かったです。ただ、ルメートルさんは本当の事を言ってないような気もしました。さっきAと言ったのに喋っているうちにBという場面が何度かありました。多分、サービス精神が旺盛なせいなんでしょうか。

ミステリ作家の深水黎一郎さんが質疑応答の時めっちゃ流ちょうなフランス語で質問を投げかけていました。(同時通訳のイヤホンがあるのでフランス語でも日本語でも問題ないんです。小説の書き方の質問だったと思います)
この対談の内容は文芸春秋とかに記事として出るのではないかと思います。最近若年性認知症が酷いので、内容は胸にしまっておこうと思います。記憶違いかもしれないしね!


【追記】
と思ったのですが、某氏宛てのメールのコピペですが貼っておきます。
※寝てないでちゃんと聞いてきたよ!





-----
詳しい話は多分どこかで記事になると思います。
私の書く事より記事の方が正確かなと思うのですが
印象に残ったのはやっぱり「ミステリは書くのが難しかった」
という事でした。彼は書き始めの頃は「自分にはミステリが
書ける」という自信があったそうです。ところがいざ小説を
作り始めてみると、多くの制約がある事に気付いたそうです。
視点の制約、時間の制約、場所の制約 etc....


それと、冒頭の書き出しに物凄く神経を遣っていて22も
バージョンを作って検討したそうです。彼に言わせると
あきやすい現代の読者は冒頭を読んでつまらなければもう
読まないので冒頭さえ読んで続けてくれれば、そこで
読者と筆者の契約が成立したものと思うのだそうです。
契約が成立すれば、読者は契約を守って続けて読んでくれる、
私はそれを信じているという事でした。


それから彼自身は19世紀の新聞小説が好きとの事で、
次から次へと畳みかけるような展開は新聞小説を読んで培った
のかなと思いました。
そして「イレーヌ」の中でも糾弾していましたが、
「なぜ残酷な話を思いつくのか」という問いかけに
「読者がそれを求めるからだ」と強調していました。


彼は「小説一冊では世の中は変わらないが、文学はそれを
変える事が出来るかもしれない(同時通訳)」と言って
いました。世界中の小説が一斉に世の中を変えようとしたら、
変わるかもしれないと。
それは恐ろしい話でもあるなと思いました。
世の中の小説すべてが右傾化したら世界は右傾化する
という事でもあるからです。煽動ですね。
ただ、この事は「イレーヌ」の中でも触れられていました。
「正義が真理に勝つ」という言葉です。「正義=(事実上は)
大衆の判断する好悪の集合体」という事ではないかと
彼の小説を読んだ私は思いました。
「アレックス」では被害者が悪人になったりして
読者は共感をもてあそばれ翻弄されます。
彼の小説の本質はそこなのかなと自分は思いました。


ルメートルは55歳で作家デビューする前には
「図書館で文学を教えていた(同時通訳によると)」そうです。
文学論とか文学史とかだと思うのですが
文学を教える=読み解く議論(哲学的抽象的に)も
たくさんしてきた人なのだろうと感じました。

また、大きな賞をもらって変化した事については、自分自身は変わらないが
自分を取り巻く環境が変わったそうです。「小説家から作家になった」と彼は
言いました。また、数年先まで収入が見込めるようになり、より執筆に
集中できるようになったとも。藤田さんは取材しやすくなったと言ってました。
藤田さんルメートルさん深水さんは確かに作家だと思いました。
それに比べて私は単なる売文家です。ホント……。
でも売文家でもいいかなと思いました。売文家には売文家の求道がありますんで。

ルメートル「私は終わりを決めて書きます」←「?」意外でした
「ラストを書きなおしたいと思った事は?」という質問には

ルメートル「正直思わないでもないがそう思わないようにしている」
藤田宜永「あるけれど、書きあげた時はこれでいいと思ったその事は
確かなのだからそれでいいと思う」
-----
【追記の追記の追記】
××さんの返信で思いだした事をまた書いておきますね。
藤田さんは「アレックス」を読んで「フィガロの結婚」を
思い出したと言っていました。
彼の小説は、登場人物が作者によってきちんと動かされている
印象があると。逆に藤田さんは登場人物が勝手に動き出して
制御できず、登場人物の赴くままに書いて行って作者が後に
ついて行く事があると。ルメートルさんはそういう事はなくて
登場人物が勝手に動いたとしても全部作者が制御すると
言っていました。

ルメートルさんはミステリ好きでたくさん読んでいたので
「自分にも書ける」という自信が出たらしいです。
なのに実際書いてみたら違っていたという事です。
自分に一番影響を与える時期(10代後半)のお気に入りが
19世紀新聞小説という事でした。(たしか)

橘さん(アレックスの訳者)いらしていたんですか!?
わー見てみたかったです~。
ひょっとして質問者の女性は橘さんだったのかしら…

ルメートルさんは真面目というか、サービス精神が旺盛でした。
司会と藤田さんに物凄く気を遣ってました。

それと大事な事を書き忘れた。
やたら藤田さんや司会の平岡さんにボディタッチしていて、
自分の中で「ルメートル・ゲイ説」が急浮上です。
----


「アレックス」はミステリとしてどうなのかという議論があって
おそらく「ラストを書きなおしたいと思った事は?」という質問は
それの事なのかなと、感じました。
でも彼の小説が面白い事は絶対間違いないです。凄いと思います。
私は、彼の小説の面白さはミステリの部分ではないと思います。
ノワールという言葉が何度も出てきていましたが、読者に問題を
投げかける小説だと私は思いました。
犯罪とは何か、善とは何か、悪とは何か。それは真理と関係があるのか。
本当の事を知るより安っぽい同情で済ませた方が楽な世界、
それで本当にいいのか。読者の心を翻弄させて、不完全なピリオドを
見せつける事で読者に対して生き方の問題提起をしているのだと感じました。


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