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響由布子
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※連絡先はhibikiyuko〒gmail.com(〒を@に直してください)
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■美術系の大学を出て専業主婦をやっている母が嫌いだった

■美術系の大学を出て専業主婦をやっている母が嫌いだった

どうせ才能もないのに4年間ふらふらと芸術活動をして、ちょこっとだけ働いて、退職して、こんなド地方に嫁に来た母。

母は私にものすごく手と目をかけて育てた。

私は母のようにはなるまい、と思っていた。大学でやったことを仕事にして、自分の力で食べていくのだ。

結構頑張って勉強した。実家から通える駅弁国立大の医学部に進学した。
医学は実学の最たるものだ。私は母とは違う。

家庭なんかもつものか。

医者になって、稼いだお金は自分のために使うのだ。4年前までそんな風に意気込んでいた。

受験、大学に入ってからの勉強のストレスか、もともとメンヘラ気質だったのか摂食障害になった。

バイト代は全部食費に消える。家族に隠れて夜な夜な胃に詰め込んでは吐く。

やった後は猛烈に後悔する。もうやめようって思う。でも翌日の帰りにはまたスーパーコンビニに足が向いてる。

自分が患者だったらこんな医者には死んでも診られたくない。

彼氏と、ふと僕たちの子供が、なんて話になる。

私、子供育てられないと思うよ。きっと精神的に虐げてだめにしてしまう。

そもそもずっと生理来てないんだよ。私、人としても女としてもポンコツだよ。

結局母を見下してたのはなんだったんだろう。

がつがつお金稼ぐなんて考えないで、自分の子供を慈しんで育てることに全力を傾ける人生のほうが幸せに決まってる。

もっとも、母の場合は慈しんで育てたものがこのザマになってしまったんだから不幸せかもしれないけど。

私は生きてるだけで罰当たりだ。

病棟実習がはじまった。このままだと、毎日毎日食べては吐いて勉強してるうちに本当に医者になってしまう。

これ以上周りを不幸にしてどうするんだろう。

だからといってレールから飛び出す勇気もない。

どうしたらいいのかなぁ。

追記

ちなみに、私と母の顔は割と似ている。

中の上ぐらいなんだけど、痩せると実に貧相で品のない顔になる。

母はけっこうふっくらしてるから若く見られたりして羨ましい。

私はガリで、しかも壊滅的に肌のきめが死んでるんだ。どう考えても20代のそれじゃない。

自ら溝に捨てたものたくさんありすぎて容姿なんて些末なことだけどね。

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何となくコピペ保存。山口恵以子さんが貸してくれた「下流の宴」を思い出した。
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