心が疲弊している時、動物というのはとても大きな慰めになります。
うちの庭に良く来る野良猫に、私たちが「経産婦(けいさんぷ)猫」と呼んでいるメス猫がいるんです。出産経験があるお腹の皮がだぶだぶした薄汚い猫なんですが、顔は可愛いです。まだ幼かったにゃん吉がこの猫に一目ぼれしまして……もちろん振られましたが……。
その経産婦猫が餌を欲しがるので、にゃん吉とみーちゃんが残したものを紙皿に盛ってあげたんです。ところが彼女はそれに口を付けなかった…
感心してしまいました。モテる女(しょっちゅう交尾して妊娠してる猫)は空腹でも他人の食べ残しなんて見向きもしないのね。モテる理由はこれなのかと、雷に打たれたような衝撃を感じました。彼女が要求しているのは、あくまでうちの飼い猫との対等な関係なんですね。だから油断すると勝手に家に入ってきてうちの猫の食器の中身をカラにして行っちゃう。
この猫、実は毎回訴えるような目で私を見るんです。本当は保護されたがってるのが伝わってくる。おそらく元飼い猫の野良だと思います。寒い冬が来る前にうちの子になって欲しいと思うのですが、にゃん吉とみーちゃんが彼女の事を絶対許さないんです。にゃん吉は振られた腹いせで、みーちゃんは小さい頃メス同士のいがみ合いで負けた思い出があるのです。
そんなこんなで、彼女をうまく保護出来ないもんかなあ、と真剣に悩む事で、もうちょっと深刻な悩みから逃避をしています。
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